庭の石やプランターをどかしたら、平たい灰色の虫がうじゃうじゃ集まっていた――それはワラジムシです。ダンゴムシに似ていますが、丸まらずに素早く逃げるのが特徴です。
ワラジムシは人を刺したり噛んだりせず、直接的な害はほとんどありません。しかし大量発生すると不快感が大きく、室内に侵入してくることもあります。この記事では、ワラジムシの駆除方法と大量発生を防ぐための環境対策を詳しく解説します。

ワラジムシとは?ダンゴムシとの違い
ワラジムシは等脚目ワラジムシ科に属する甲殻類の一種です。体長は10〜15mm程度で、灰色や褐色の平たい体が特徴です。
ダンゴムシとの最大の違いは「丸まるかどうか」です。ダンゴムシは刺激を受けると球体に丸まりますが、ワラジムシは丸まることができません。また、ワラジムシの方がやや体が薄く、動きが速い傾向があります。
- 体長10〜15mmの灰色〜褐色の虫
- 甲殻類(エビやカニの遠い親戚)
- ダンゴムシのように丸まらない
- 湿った場所を好み、落ち葉や朽木を食べる
- 人を刺したり噛んだりすることはない
ワラジムシが大量発生する原因
湿気の多い環境
ワラジムシは乾燥に弱く、湿度の高い場所でないと生きていけません。庭の日陰になる場所、落ち葉が溜まった花壇、排水の悪いコンクリート付近などに集まりやすくなります。
エサが豊富にある
落ち葉、枯れた植物、腐った木材などがワラジムシの主なエサです。庭に腐葉土や堆肥を使っている場合、ワラジムシが集まりやすい環境になっています。
隠れ場所が多い
植木鉢やプランターの下、レンガや石の下、ウッドデッキの裏側など、暗くて湿った隠れ場所が多い環境ほどワラジムシが定着しやすくなります。

ワラジムシの効果的な駆除方法
粉末タイプの殺虫剤を散布する
家の周囲やワラジムシが集まる場所に粉末タイプ(パウダー)の殺虫剤をまくと、広範囲を効率よく駆除できます。残効性のある薬剤を選べば、駆除と予防を同時に行えます。
スプレータイプの殺虫剤で直接駆除
集まっているワラジムシに対しては、不快害虫用のスプレー型殺虫剤で直接駆除できます。速効性があるため、すぐに対処したいときに便利です。
屋外で使うなら、噴射距離が長めのタイプだと石やプランターをどけずに済みます。対象害虫の欄にワラジムシの記載があるか確認して選んでみてください。
酢や重曹を活用する(自然派の方法)
ワラジムシは酢の臭いを嫌うとされています。水で薄めた酢をスプレーボトルに入れて発生場所に吹きかける方法は、薬剤を使いたくない場合の代替手段になります。重曹水も同様に忌避効果が期待できます。
侵入経路を遮断する
室内への侵入を防ぐには、玄関ドアの下の隙間、窓のサッシ、換気口などを隙間テープやパテで塞ぎましょう。ワラジムシは体が薄いため、わずかな隙間でも侵入してきます。
大量発生を防ぐ環境対策
駆除だけでは根本解決になりません。ワラジムシが住みにくい環境をつくることが重要です。
庭の落ち葉や枯れ葉を定期的に掃除する
落ち葉や枯れた植物はワラジムシの主なエサ源です。定期的に掃除して、ワラジムシが集まる条件を減らしましょう。
植木鉢やプランターの下を乾燥させる
植木鉢やプランターはこまめに場所を移動させるか、台やスタンドに乗せて底面の通気を良くしましょう。地面に直置きしていると、下に湿気が溜まりワラジムシの住処になります。
鉢の数が多いと移動だけでも一苦労なので、底上げできるスタンドやキャスター付きの台を使う方も多いようです。
排水を改善する
庭やベランダに水が溜まりやすい場所がある場合は、排水溝を掃除したり、砂利を敷いて水はけを良くすることで湿気を減らせます。
家の基礎周りを清潔に保つ
建物の基礎周りにゴミや朽ちた木材が放置されていると、ワラジムシの温床になります。基礎周りを清掃し、風通しを良くしておきましょう。
ワラジムシは落ち葉を分解して土壌を豊かにする役割も持っています。少数であれば庭の生態系に貢献しているため、大量発生した場合のみ対策を行うのが合理的です。

💡 庭でワラジムシと一緒にアリが大量発生しているケースも少なくありません。アリ対策に特化したおすすめの駆除剤をこちらのページでまとめていますので、あわせてご覧ください。

💡 ワラジムシ以外にも庭や家の周りで見かける害虫にまとめて対策したい方は、害虫の種類別に駆除グッズを整理した一覧ページが便利です。どの虫にどのグッズが合うか確認できます。



ワラジムシに関するよくある質問
Q. ワラジムシは家の中で繁殖しますか?
ワラジムシは湿気がないと生きていけないため、乾燥した室内で長期間繁殖するのは難しいとされています。ただし、浴室やシンク下など常に湿っている場所では定着する可能性があります。
Q. ワラジムシは害虫ですか?
ワラジムシは人に危害を加えることはなく、農作物への被害もほぼありません。分類上は「不快害虫」とされており、見た目の不快感から対策を求められるケースが多い虫です。
Q. ナメクジ駆除剤はワラジムシにも使えますか?
ナメクジ用の駆除剤の中にはワラジムシにも効果があるものがありますが、専用の不快害虫用駆除剤を使った方が確実です。製品の対象害虫一覧にワラジムシが含まれているか確認してから使いましょう。
ワラジムシが出やすい場所と重点対策ポイント
庭のコンクリートブロック・石垣周り
コンクリートブロックや石垣の隙間は、ワラジムシにとって理想的な住処です。隙間に粉末タイプの殺虫剤を吹き込んだり、コーキング材で隙間を埋めたりする方法が有効です。石垣の裏側に落ち葉が溜まっている場合は、定期的に取り除きましょう。
ウッドデッキの裏側
ウッドデッキの裏は湿気が溜まりやすく、ワラジムシが大量に発生する原因になります。デッキの下に防湿シートを敷く、砂利を敷いて水はけを改善する、定期的にデッキの下を掃除して落ち葉やゴミを取り除くといった対策が効果的です。
防湿シートは床下用として売られているものが、デッキ下の地面を覆う用途にも使えます。必要な面積を測ってから選ぶと無駄がありません。
エアコン室外機の下
エアコンの室外機の下は、ドレン水で常に湿っていることが多く、ワラジムシが集まりやすいポイントです。ドレンホースの排水先を確認し、水が建物の基礎に溜まらないよう工夫しましょう。室外機の下に砂利を敷くと水はけが改善されます。
ワラジムシ対策の費用目安
- 粉末タイプの殺虫剤(屋外用):500~1,500円程度
- 不快害虫用スプレー:500~1,000円程度
- 隙間テープ:100~500円程度
- 砂利(水はけ改善用):500~2,000円程度(袋入り)
- 防湿シート:1,000~3,000円程度
- 鉢スタンド:300~1,500円程度
ワラジムシ対策の基本は環境改善なので、大きな費用はかかりません。落ち葉掃除と植木鉢の通気改善は費用ゼロで始められます。殺虫剤と隙間テープを加えても、合計で1,000~2,000円程度あれば基本的な対策は揃います。
室内にワラジムシが入ってきたときの対処法
ワラジムシは基本的に屋外で生活する虫ですが、湿気を求めて室内に侵入してくることがあります。室内で見つけたときの対処法をまとめます。
見つけたら捕まえて外に出す
ワラジムシは人に害を与えないため、紙やティッシュでそっと捕まえて外に出すのが最もシンプルな方法です。殺虫剤を使わずに済むため、小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心です。
室内の湿気対策を見直す
ワラジムシが室内に入ってくるのは、その場所に湿気があるサインです。浴室の換気扇を入浴後3時間以上回す、洗面所に除湿剤を置く、シンク下の配管周りを確認して結露や水漏れがないかチェックするなどの対策を行いましょう。
侵入経路を特定して塞ぐ
ワラジムシが繰り返し室内に入ってくる場合は、侵入経路が存在しています。玄関のドア下、窓のサッシ、エアコンの配管穴、排水口の周辺を重点的に確認し、隙間テープやパテで封鎖しましょう。


ワラジムシとダンゴムシの見分け方と対策の違い
ワラジムシとダンゴムシは見た目が似ているため混同されがちですが、生態や対策のポイントに若干の違いがあります。
- 丸まるかどうか:ダンゴムシは球体に丸まる。ワラジムシは丸まれない
- 体の厚み:ダンゴムシの方が厚みがある。ワラジムシは薄くて平たい
- 動きの速さ:ワラジムシの方が素早く動く
- 乾燥への弱さ:ワラジムシの方が乾燥に弱く、より湿った場所を好む
- 植物被害:ダンゴムシは生きた植物の新芽も食べるが、ワラジムシは主に枯れた植物を食べる
両者が同じ場所に混在していることも珍しくありません。対策の基本は共通で、湿気を減らしてエサとなる落ち葉を除去することが最も効果的です。殺虫剤も同じ製品(不快害虫用)が使えるため、両方同時に対策できます。
ワラジムシ駆除を業者に依頼する場合
ワラジムシは基本的に自力で対処できる害虫ですが、以下のような場合は業者に相談しましょう。
- 床下から大量に湧き出てくる場合(床下の防湿工事が必要な可能性)
- マンションの一階で排水設備からの侵入が疑われる場合
- ワラジムシと同時にシロアリなど他の害虫も見られる場合
業者に依頼した場合の費用は、一般的な屋外散布で10,000~25,000円程度が目安です。床下の防湿工事を伴う場合は100,000円以上になることもあります。
床下から大量に湧いてくる、シロアリも見かけたなど自分では判断しにくいときは、害虫駆除110番に相談する方法もあります。電話は24時間365日・通話無料で、対応できる加盟業者を紹介するサービスです。シロアリは料金表に載っていますが、ワラジムシは「その他は別途相談」の扱いなので、対応できるかは問い合わせ時に確認する形です。見積もり後のキャンセルもできると案内されています。詳しくは公式サイトで確認できます。



まとめ
ワラジムシは人に害を与えない虫ですが、大量発生すると不快感が大きく、室内への侵入も気になります。対策のポイントを整理します。
- ワラジムシの大量発生は湿気とエサ(落ち葉・枯れ葉)が原因
- 粉末タイプの殺虫剤で広範囲を駆除できる
- 庭の落ち葉掃除と植木鉢の通気改善が効果的
- 室内への侵入は隙間テープで防ぐ
- 少数であれば土壌改良に役立つ益虫として放置してもOK
環境改善がワラジムシ対策の本質です。湿気を減らしてエサを減らせば、自然とワラジムシの数は減っていきます。
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