シロアリ駆除の方法として最も広く採用されているのが「バリア工法」です。床下の木材や土壌に液状の薬剤を散布し、シロアリの侵入を物理的・化学的に阻止する方法で、国内のシロアリ駆除業者の多くがこの工法を標準として採用しています。
即効性があり、費用も比較的抑えられることから、初めてシロアリ駆除を依頼する方にとって選びやすい工法と言えます。ただし、薬剤を床下に散布するため、安全性に関する不安を感じる方もいるかもしれません。
この記事では、バリア工法の仕組みやメリット・デメリット、費用の相場、そして安全性に関する正確な情報をお伝えします。

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害虫駆除110番の公式サイトはこちらバリア工法の仕組み|薬剤で「壁」を作ってシロアリを防ぐ
バリア工法の基本原理
バリア工法は、住宅の床下に液状の薬剤を散布して「化学的なバリア(壁)」を構築し、シロアリが建物内に侵入するのを防ぐ工法です。「木部処理」と「土壌処理」の2つの作業で構成されます。
木部処理:床下の木材(土台・大引き・束柱など)に薬剤を吹き付けたり、注入したりして、シロアリが木材を食害するのを防ぎます。
土壌処理:床下の地面に薬剤を散布し、地中からのシロアリの侵入経路を遮断します。基礎の内側の土壌や、配管の貫通部分など、シロアリの侵入リスクが高い箇所を重点的に処理します。
施工の流れ
| 工程 | 内容 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 事前調査 | 床下に入り、被害状況・建物構造を確認 | 30〜60分 |
| 2. 養生 | 床下点検口周辺を保護シートで養生 | 15〜30分 |
| 3. 木部処理 | 床下の木材に薬剤を吹き付け・注入 | 1〜2時間 |
| 4. 土壌処理 | 床下の地面に薬剤を散布 | 1〜2時間 |
| 5. 仕上げ・清掃 | 養生の撤去、周辺の清掃 | 15〜30分 |
| 6. 報告 | 施工内容の報告、保証書の発行 | 15〜30分 |
一般的な住宅(30坪程度)の場合、施工は半日〜1日で完了します。施工中は床下で作業が行われるため、居住者が家を離れる必要はありませんが、施工直後は換気を十分に行うことが推奨されます。
使用される薬剤について
現在使用されている薬剤は、日本しろあり対策協会が認定したものが主流です。近年の薬剤は揮発性が極めて低く、シックハウス症候群の原因物質にも指定されていない安全なものが使用されています。
かつては有機塩素系の強力な薬剤が使われていた時代もありますが、現在は環境や人体への安全性を考慮した薬剤に完全に切り替わっています。
バリア工法のメリット
1. 即効性がある
バリア工法の最大のメリットは、施工直後から効果を発揮することです。薬剤が直接シロアリに触れるため、すでに建物内に侵入しているシロアリも速やかに駆除できます。被害が進行中で急いで対処したいケースに最適です。
2. 費用が比較的安い
ベイト工法と比較すると、バリア工法は初期費用・トータルコストともに抑えられます。
| 費用項目 | バリア工法 | ベイト工法 |
|---|---|---|
| 1坪あたりの単価 | 3,000〜8,000円 | 5,000〜12,000円 |
| 30坪の住宅の場合 | 10〜25万円 | 20〜40万円 |
| 年間管理費 | なし(5年保証内) | 3〜8万円/年 |
| 5年間のトータル | 10〜25万円 | 35〜70万円 |
5年間のトータルコストで比較すると、バリア工法はベイト工法の半分以下に収まるケースがほとんどです。
3. 5年間の長期保証
バリア工法では、施工後5年間の保証が付与されるのが標準です。保証期間内にシロアリ被害が再発した場合は、無償で再施工してもらえます。業者によっては最大1,000万円の修復費用を補償する制度を設けているところもあります。
4. 予防と駆除を同時に行える
バリア工法は、既存のシロアリを駆除しながら、同時に新たなシロアリの侵入を予防する効果もあります。施工後は薬剤のバリア層が床下に形成されるため、二重の効果が期待できます。

バリア工法のデメリット
1. 薬剤の使用量が多い
床下全体に薬剤を散布するため、ベイト工法と比較すると使用する薬剤の量は格段に多くなります。安全性が確認された薬剤が使われているとはいえ、化学物質に敏感な方にとっては心理的な抵抗感があるかもしれません。
2. 施工時に臭いが発生する場合がある
薬剤の種類によっては、施工直後に軽微な臭いが感じられることがあります。通常は数日で消えますが、気になる方は施工後にしっかり換気を行ってください。業者に事前に使用薬剤の臭いについて確認しておくと安心です。
3. 床下に入れる構造が必要
バリア工法は調査員が床下に入って施工するため、床下の高さが30cm以上確保されていることが条件です。床下に入れない構造の建物では施工が困難になる場合があります。
4. 巣そのものは駆除できない
バリア工法はあくまで「建物への侵入を防ぐ」ことが主目的であり、地中に存在するシロアリの巣を直接壊滅させることはできません。建物周辺の地中にはシロアリのコロニーが残り続ける可能性があり、薬剤の効果が切れると再び侵入してくるリスクがあります。
5. 薬剤の効果は永続しない
バリア工法で使用される薬剤の効果は、一般的に5年程度で徐々に低下します。そのため、5年ごとに再施工(予防処理)を行うことが推奨されています。
薬剤の効果が切れた後に何もしないまま放置すると、シロアリが再び侵入してくる可能性が高まります。5年ごとの再施工を忘れないようにしましょう。
バリア工法の費用に影響する要素
建物の広さ
バリア工法の費用は、1階の床面積に応じて算出されるのが一般的です。1平方メートルあたり2,000〜3,000円程度が相場です。
被害の程度
シロアリの被害がすでに発生している場合、予防処理のみの場合と比較して費用が高くなるケースがあります。被害箇所の補修や、より重点的な薬剤処理が必要になるためです。
建物の構造
床下へのアクセスが困難な構造の場合、追加の作業費が発生することがあります。また、増改築部分がある住宅は施工範囲が複雑になるため、費用が上がる傾向にあります。
| 床面積 | 費用の目安(予防) | 費用の目安(駆除+予防) |
|---|---|---|
| 20坪(約66平方メートル) | 7〜15万円 | 10〜20万円 |
| 30坪(約99平方メートル) | 10〜20万円 | 15〜30万円 |
| 40坪(約132平方メートル) | 13〜25万円 | 20〜40万円 |

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害虫駆除110番の公式サイトはこちらバリア工法の安全性について
現在の薬剤は安全性が大幅に向上している
1990年代以前は、クロルデンなどの有機塩素系殺虫剤が使用されていた時代がありましたが、現在ではすべて使用が禁止されています。現在使用されている薬剤は、以下のような基準を満たしたものだけです。
- 日本しろあり対策協会が安全性を認定した薬剤
- 揮発性が極めて低い成分
- シックハウス症候群の原因物質に該当しない成分
- 環境省の基準に適合した薬剤
薬剤は床下に散布されるため、室内に上がってくることは通常ありません。近年の薬剤は安全性が大幅に向上しているため、過度に心配する必要はないでしょう。
化学物質に敏感な方への配慮
それでも薬剤の使用に不安がある方は、ベイト工法を検討するか、業者に「低臭性の薬剤を使用してほしい」と事前に相談してください。使用する薬剤の種類は業者側で選択可能な場合が多く、安全性の高い製品を指定できることがあります。
よくある質問(Q&A)
Q. バリア工法の施工中は家にいてもいい?
A. 基本的に在宅のまま施工を受けられます。作業は床下で行われるため、日常生活にほとんど支障はありません。ただし、施工後は1〜2時間程度、窓を開けて換気することをおすすめします。
Q. バリア工法は自分でもできる?
A. 市販のシロアリ駆除剤を使ってDIYで施工することは技術的には可能ですが、おすすめしません。適切な散布量や処理箇所の判断には専門知識が必要であり、不十分な施工は被害の見落としにつながります。
Q. バリア工法の施工は何時間かかる?
A. 一般的な住宅(30坪程度)であれば、3〜5時間程度で完了します。建物の構造や被害の程度によっては半日以上かかることもあります。
Q. 施工後にシロアリが出てきたらどうする?
A. 施工直後にシロアリの死骸が出てくることがあります。これは薬剤が効いている証拠なので心配ありません。施工後2週間以上経過しても生きたシロアリが確認される場合は、施工業者に連絡してください。保証期間内であれば無償で再施工してもらえます。
Q. 5年後の再施工は必ず必要?
A. 薬剤の効果が5年程度で低下するため、再施工は強く推奨されます。再施工を行わない場合は、定期的な点検で被害がないか確認し、異常が見つかった時点で対応する方法もあります。
バリア工法は「費用」「即効性」「手軽さ」のバランスが良い、最もスタンダードなシロアリ駆除方法です。迷ったらまずはバリア工法を軸に検討し、安全性への不安が大きい場合にベイト工法も候補に入れるという順序がおすすめです。
まとめ:バリア工法はシロアリ駆除の王道
バリア工法は、即効性・費用・実績の面でバランスの取れたシロアリ駆除方法です。施工は半日〜1日で完了し、施工直後から5年間の効果と保証が得られます。
薬剤の安全性についても、日本しろあり対策協会認定の薬剤が使用されるため、過度な心配は不要です。ただし、化学物質に敏感な方やペットがいるご家庭では、ベイト工法との比較検討も行った上で最適な方法を選んでください。
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