夕方になると家の周辺を飛び回るコウモリ。軒下や通気口の隙間にぶら下がっている姿を見かけたら、すでに家を「ねぐら」として利用されている可能性があります。
コウモリは鳥獣保護管理法で保護されている動物であるため、直接捕獲したり殺傷したりすることは法律で禁止されています。そのため、対策の基本は「忌避剤を使って追い出し、侵入口を塞ぐ」という流れになります。
この記事では、コウモリ対策に使える忌避剤の種類・選び方・効果的な使い方・使用時の注意点を詳しく解説します。

コウモリ被害の特徴
日本の家屋に住み着くコウモリのほとんどは「アブラコウモリ(イエコウモリ)」という種類です。体長4〜6cm程度と小さく、わずか1〜2cmの隙間から侵入できます。
主な被害
- 糞による汚染:コウモリの糞は1匹でも大量に溜まり、悪臭やシミの原因になる
- 衛生リスク:糞にはカビの一種であるヒストプラズマ菌が含まれている場合があり、乾燥した糞が粉じんとして吸入されると呼吸器に影響を及ぼす可能性がある
- 騒音:夕方〜夜間にバサバサという羽音や鳴き声がする
- 外壁の汚れ:糞尿が外壁を汚損し、建物の美観を損なう
コウモリ用忌避剤の種類と特徴
スプレータイプ
コウモリが潜んでいる場所に直接スプレーして追い出す即効性のある忌避剤です。ハッカ油をベースにした製品が多く、コウモリが嫌う強い香りで追い出します。
- 即効性がある(スプレー後すぐにコウモリが逃げ出す場合がある)
- 効果の持続時間は3〜6時間程度
- 1本で約20〜30平方メートルに対応
- 天井裏や換気口など、コウモリが潜んでいる場所に直接使用する
代表的な製品には「スーパーコウモリジェット」(イカリ消毒)などがあります。
ジェルタイプ
スプレーよりも効果の持続期間が長いのがジェルタイプの忌避剤です。コウモリが止まる場所(軒下・通気口の周辺・シャッターボックスなど)に塗布して使用します。
- 効果の持続期間は製品によって異なるが、長いもので約1年
- ベタつきがあるため、コウモリが不快に感じて寄りつかなくなる
- 屋外で使用する場合は風雨で流れにくい製品を選ぶ
ジェルタイプは塗る場所が限られるぶん、手が届く軒下やシャッターボックスまわりの対策に向いています。屋外用と表示された製品を選んでおくと使いやすいです。
吊るすタイプ(設置型)
忌避成分が入った小袋やカプセルを、コウモリが出入りする場所に吊るして使用するタイプです。
- 手軽に設置できる
- 効果の持続期間は2週間〜1ヶ月程度
- 天井裏や軒下に吊るすだけで使える
- 初めてコウモリ対策をする方に向いている
脚立が使えない場所や、まず様子を見たいという場合は、吊るすだけのタイプから試す方も多いようです。
くん煙タイプ
煙を充満させてコウモリを追い出すタイプです。天井裏など広い空間のコウモリを一気に追い出したいときに有効です。ただし、使用時には火災報知器への対策や、十分な換気が必要です。

忌避剤を効果的に使うためのポイント
使用に適した時期
コウモリ対策に最適な時期は春(4〜6月)と秋(9〜10月)です。春は冬眠明けで活動が活発になる時期、秋は冬眠前で移動しやすい時期のため、忌避剤の効果が発揮されやすいです。
避けるべき時期は夏(7〜8月)です。この時期はコウモリの出産・子育てのシーズンで、飛べない幼獣が天井裏に残ってしまう可能性があります。
追い出しと侵入口封鎖はセットで行う
忌避剤でコウモリを追い出しただけでは、侵入口がそのままなら再び戻ってきます。追い出した直後に、侵入口を金網やパテで塞ぐことが再発防止の鍵です。
糞の清掃も忘れずに
コウモリを追い出した後は、溜まった糞の清掃と消毒も行いましょう。糞を放置するとダニの温床になるほか、悪臭が残り続けます。
コウモリの糞を清掃する際は、必ずマスクと手袋を着用してください。乾燥した糞は細かい粒子になって空気中に舞いやすく、吸い込むと呼吸器に影響を及ぼす可能性があります。掃除機ではなく、湿らせた雑巾で拭き取る方法が安全です。
清掃の前に、使い捨てのマスクと手袋を用意しておくと作業後にそのまま処分できて手間がかかりません。
忌避剤だけでは対処できないケース
以下のような場合は、忌避剤だけでの対応が難しいため、専門業者への相談をおすすめします。
- 大量のコウモリが住み着いている(10匹以上の群れ)
- 侵入口が高所にあり、自分では封鎖できない
- 天井裏に大量の糞が溜まり、清掃が必要
- 忌避剤を使っても繰り返しコウモリが戻ってくる
業者に依頼する場合の費用は、追い出し・封鎖・清掃を含めて3万〜15万円程度が一般的な相場です。
高所の侵入口をふさげない、忌避剤を使っても戻ってくるといったコウモリの悩みなら、害獣プロテックという選択肢もあります。リフォーム会社が母体で、住宅の構造を踏まえて侵入口をふさぐ「害獣対策工事」で再発防止に力を入れている業者です。相談・現地調査・見積もり・出張費は無料で、24時間365日受付。関東・関西・東海・北陸など対応エリア内なら相談できます。詳しくは公式サイトで確認できます。



よくある質問(Q&A)
Q. コウモリの忌避剤はどこで買えますか?
ホームセンターやドラッグストア、Amazon・楽天などの通販サイトで購入できます。スプレータイプは1,000〜2,000円程度、ジェルタイプは2,000〜5,000円程度が相場です。
Q. ハッカ油でコウモリを追い出せますか?
ハッカ油のメントール成分はコウモリが嫌がるとされており、応急的な忌避効果は期待できます。ただし持続時間が短いため、市販のコウモリ専用忌避剤のほうが効果的です。
Q. コウモリは冬眠しますか?
アブラコウモリは冬季に冬眠します。冬眠中に忌避剤を使っても反応しにくいため、対策は春か秋に行うのが理想的です。
Q. コウモリが1匹だけいる場合も対策が必要ですか?
コウモリは群れで行動することが多く、1匹見えた場合は他にもいる可能性があります。早めに忌避剤で対策し、侵入口を塞いでおくことをおすすめします。
Q. 忌避剤を使ったのにコウモリが戻ってくるのはなぜですか?
忌避剤の効果が切れた後に侵入口がそのままだと、コウモリは元の場所に戻ってくる習性があります。忌避剤はあくまで一時的に追い出すためのもので、最も重要なのは追い出した直後に侵入口を物理的に塞ぐことです。金網やパテ、コーキング材を使って1〜2cmの隙間も残さず封鎖しましょう。封鎖が不完全な場合は何度でも戻ってきますので、高所の封鎖作業が難しい場合は専門業者への依頼を検討してください。
封鎖には、通気を残しながら隙間を塞げる細目のステンレス金網がよく使われます。サビにくい素材を選ぶと屋外でも扱いやすいです。
Q. コウモリの糞とネズミの糞はどう見分けますか?
コウモリの糞は5〜10mm程度の黒い粒状で、乾燥するとパサパサと崩れやすいのが特徴です。これは昆虫を主食としているためで、糞を崩すと虫の外殻の破片が混じっていることがあります。一方、ネズミの糞は細長い形状で、崩れにくく硬いのが特徴です。判断に迷う場合は、糞が落ちている場所も参考になります。天井裏や軒下の壁面に沿って集中的に落ちている場合は、コウモリの可能性が高いです。
Q. 赤ちゃんコウモリがいる場合はどうすればいいですか?
夏場(7〜8月)はコウモリの出産・子育てのシーズンです。この時期に忌避剤を使うと、飛べない幼獣が天井裏に取り残されて死んでしまうことがあります。死骸が腐敗して悪臭やハエの発生源になるため、夏場の駆除は避け、秋(9〜10月)に幼獣が飛べるようになってから対策を行うのが安全です。どうしても夏場に対策が必要な場合は、幼獣の有無を確認できる専門業者に相談してください。
Q. マンションの高層階でもコウモリは来ますか?
コウモリは飛翔能力が高いため、マンションの高層階でも被害が発生することがあります。特にバルコニーの天井部分や換気口、エアコンの室外機の裏など、狭い隙間を好んでねぐらにします。高層階でコウモリの糞を見つけた場合は、忌避剤のスプレーで追い出した後、隙間をパテやネットで塞ぐ対策が有効です。マンションの場合は管理組合への相談も合わせて行うとよいでしょう。
Q. コウモリ対策にLEDライトや超音波は効果がありますか?
LEDライトや超音波装置はコウモリ対策として販売されていますが、効果については賛否両論があります。コウモリは暗い場所を好むため、明るいLEDを設置することで一時的に寄りつきにくくなる可能性はあります。ただし、忌避剤のような確実性はなく、補助的な対策として位置づけるのが適切です。最も確実なのは物理的に侵入口を塞ぐことであり、ライトや超音波はあくまで補助手段として考えてください。
Q. コウモリ対策の業者に依頼した場合の作業時間はどのくらいですか?
一般的な住宅でのコウモリ駆除作業は、調査を含めて半日から1日程度で完了するケースが多いです。作業内容としては、まず侵入口の調査を行い、忌避剤やくん煙剤で追い出した後、侵入口を金網やパテで封鎖します。侵入口の数が多い場合や高所作業が必要な場合は、作業日数が増えることがあります。事前の現地調査の段階で作業時間の目安を確認しておくと安心です。
Q. コウモリが家に住み着くことで何か法的な問題はありますか?
コウモリは鳥獣保護管理法で保護されている動物のため、直接捕獲したり殺傷したりすることは違法行為となります。罰則として1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。ただし、忌避剤を使って追い出すことや、侵入口を塞いで入れないようにすることは法律上問題ありません。箱罠やネットで直接捕まえるような行為は避け、忌避剤での追い出しと侵入口封鎖による対策を行ってください。どうしても自分で対応できない場合は、法律を遵守した対応ができる専門業者に依頼しましょう。
まとめ
コウモリ対策の忌避剤には、スプレー・ジェル・吊るすタイプ・くん煙タイプの4種類があります。まずはスプレーで追い出し、ジェルや吊るすタイプで再侵入を防ぐ2段構えの対策が効果的です。
最も重要なのは、忌避剤で追い出した後に侵入口を確実に封鎖することです。この工程を省くとコウモリは再び戻ってきます。対策の時期は春か秋がベストで、夏の出産シーズンは避けてください。
💡 コウモリの糞にはダニが発生しやすく、追い出した後も室内にダニやゴキブリなどの害虫が残っていることがあります。家に出やすい害虫ごとのおすすめ駆除グッズを以下の記事でまとめていますので、コウモリ対策後の二次被害防止にお役立てください。



💡 コウモリの侵入口となる隙間から、ゴキブリやムカデが一緒に入り込んでいるケースもあります。侵入口を封鎖した後のゴキブリ対策として、ベイト剤やスプレーの活用もおすすめです。



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