シロアリ被害が見つかったとき、「業者に頼むと高そうだし、自分でできないかな」と考える方は少なくないでしょう。結論から言えば、DIYでのシロアリ駆除は条件付きで可能です。ただし、被害の状況や建物の構造によっては素人での対応が難しく、むしろ被害を拡大させてしまうリスクもあります。
この記事では、シロアリ駆除をDIYで行う方法・手順・必要な道具に加え、自分で対処すべきケースと業者に任せるべきケースの判断基準も解説します。

シロアリ駆除をDIYでやるメリット・デメリット
DIYのメリット
- 費用を大幅に抑えられる:業者に依頼すると10〜30万円程度かかるところ、DIYなら薬剤・道具代で数万円程度に収まることがある
- 自分のペースで作業できる:業者のスケジュールに合わせる必要がない
- 床下の状態を自分の目で確認できる:普段見えない場所の状況がわかる
DIYのデメリット
- 完全な駆除が難しい:プロの業者と比べると、薬剤の散布ムラや見落としが発生しやすい
- 保証がない:業者に依頼すれば5年間の再施工保証が付くが、DIYには保証がない
- 体力的にハード:狭い床下でほふく前進しながら作業する必要がある
- 安全面のリスク:薬剤の取り扱いミスや、釘・配管への接触による怪我のおそれ
シロアリ被害が広範囲に及んでいる場合や、構造材(柱・土台)にダメージがある場合は、DIYでの対応が困難です。無理な駆除は建物の安全性に関わるため、専門業者への相談を優先してください。
DIYシロアリ駆除に必要な道具・薬剤

DIYでシロアリ駆除を行う場合に用意すべきものは以下のとおりです。
服装・保護具
- つなぎ(汚れてよい厚手の服)
- ヘッドライト(床下は真っ暗なため必須)
- 防じんマスク(薬剤を吸い込まないため)
- ゴーグル
- 厚手の手袋
- 膝当てパッド(ほふく前進時に膝を保護)
- 長靴または脱げにくい靴
薬剤・資材
- シロアリ専用の土壌処理剤(ホームセンターで購入可能)
- シロアリ専用の木部処理剤
- 噴霧器(手動式または電動式)
- 注入用のノズル(木部処理用)
- ドリル(木部に穴を開けて薬剤を注入する場合)
市販の「バルサン」やゴキブリ用の殺虫剤はシロアリには不向きです。必ずシロアリ専用の薬剤を使用してください。シロアリ専用でない殺虫剤を使うと、シロアリが薬剤を避けて別の場所から侵入し、被害が広がるケースがあります。
DIYシロアリ駆除の手順

ステップ1:被害状況の確認
まず、床下に入ってシロアリの被害状況を確認します。確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 蟻道(土でできたトンネル状の道)がないか
- 木材が柔らかくスカスカになっていないか
- 羽アリの残骸や糞がないか
- 湿気の多い場所や雨漏りの跡がないか
ステップ2:土壌処理
床下の土壌に薬剤を散布します。床下の土全体に均一に散布することが重要です。壁際(基礎の立ち上がり部分の周囲)は特に重点的に処理します。噴霧器を使い、土壌の表面が十分に濡れる程度に散布してください。
ステップ3:木部処理
床下の木材(土台・大引・根太など)に薬剤を塗布または注入します。被害がある木材には、ドリルで穴を開けて薬剤を注入する「穿孔注入」を行うとより効果的です。
ステップ4:蟻道の破壊と処理
発見した蟻道はすべて壊し、周囲に薬剤を散布します。蟻道を壊すことでシロアリの通路を遮断し、薬剤で再構築を防ぎます。
ステップ5:定期的な点検
施工後も3〜6ヶ月ごとに床下の状況を確認し、シロアリの再発がないかチェックしましょう。DIYには業者のような保証がないため、自分自身で定期点検する習慣をつけることが大切です。

DIYで対処できるケースと業者に任せるべきケース

DIYで対処できる可能性があるケース
- 被害が軽微で範囲が狭い(一部の木材のみ)
- 床下の高さが40cm以上あり、十分に入れる
- 予防目的(まだ被害が出ていないが予防したい)
- 体力に自信があり、狭い場所での作業が苦にならない
業者に依頼すべきケース
- 被害が広範囲にわたっている
- 構造材(柱・土台)がスカスカになっている
- イエシロアリの被害(進行が速く素人では対処が困難)
- アメリカカンザイシロアリの疑い(特殊な駆除方法が必要)
- 床下が狭くて入れない構造
- 過去にDIY駆除を試みたが再発した
こうしたケースに当てはまってDIYでは手に負えないと感じたら、害虫駆除110番に相談する方法もあります。シロアリに対応できる加盟店を紹介するサービスで、電話は24時間365日受付・通話無料です。公式の料金表示はシロアリ1,320円〜/㎡(税込)で、見積もりを見てから依頼するか決められ、見積もり後のキャンセルも可能と案内されています。料金や対応は地域・加盟店によって変わるので、詳しくは公式サイトで確認できます。

DIYでできるシロアリ予防策
駆除までは難しくても、日常的にできる予防策はたくさんあります。
- 家の周囲に木材やダンボールを放置しない:シロアリのエサになります
- 風通しを良くする:床下換気口をふさがないようにする
- 水漏れ・雨漏りの早期修理:湿気はシロアリを呼び込む原因になります
- 基礎周りの植栽に注意:植物の根がシロアリの侵入経路になることがある
- 定期的な床下点検:年に1〜2回は目視で確認する習慣をつける
💡 シロアリ以外にも家に出る害虫でお困りではありませんか?害虫の種類ごとにおすすめの駆除グッズをまとめていますので、あわせてご覧ください。



DIYシロアリ駆除の費用の目安
DIYでシロアリ駆除を行った場合の費用の目安は以下のとおりです。
| アイテム | 費用の目安 |
|---|---|
| 土壌処理剤 | 3,000〜8,000円 |
| 木部処理剤 | 3,000〜6,000円 |
| 噴霧器 | 3,000〜10,000円 |
| 保護具一式(つなぎ・マスク等) | 5,000〜10,000円 |
| ヘッドライト | 1,000〜3,000円 |
| 合計 | 15,000〜37,000円程度 |
業者に依頼する場合の10〜30万円と比較すると大幅に安くなりますが、保証が付かない点とリスクを考慮して判断してください。


💡 シロアリだけでなく、ゴキブリの発生にもお悩みの方は多いです。DIYで使えるゴキブリ駆除グッズをまとめた記事もありますので、まとめて対策したい方はチェックしてみてください。



よくある質問(Q&A)
Q. シロアリ駆除剤はどこで買える?
ホームセンター(カインズ、コメリ、ビバホームなど)のほか、インターネット通販でも購入可能です。「シロアリ 土壌処理剤」「シロアリ 木部処理剤」で検索すると、専門的な製品が見つかります。
Q. 床下に入るのが怖い場合は?
無理に入る必要はありません。床下に入ることに恐怖心がある方は、業者に点検だけ依頼することもできます。多くの業者が無料点検を実施していますので、まずは現状を確認してもらいましょう。
Q. DIYで駆除した後に業者に依頼し直すことはできる?
可能です。DIYで対処しきれなかった場合や再発した場合は、改めて業者に依頼することができます。ただし、自己施工した薬剤の種類を業者に伝えたほうが、適切な追加施工を行いやすくなります。
Q. シロアリ駆除の薬剤は人体に安全ですか?
現在市販されているシロアリ駆除用薬剤は、人体への安全性が確認されたものが中心です。ただし、散布中は薬剤を直接吸い込まないよう防じんマスクの着用が必須です。施工後は薬剤が乾燥すれば通常の生活に支障はありませんが、換気を十分に行ってから床下の点検口を閉じてください。化学物質に過敏な体質の方は、作業後数日間は床下点検口の近くで長時間過ごさないなどの配慮をしておくと安心です。
Q. シロアリの被害が軽微かどうかはどう判断する?
床下に入って蟻道(土のトンネル)が基礎の一部だけに見られる場合や、被害木材がごく限られた範囲(1〜2本程度)に収まっている場合は、比較的軽微な被害と判断できます。一方で、ドライバーで軽く突いただけで木材がボロボロと崩れる、複数の柱や土台に被害が広がっている、といった状態は重度の被害です。判断に迷った場合は、無料点検を実施している業者に確認を依頼するのが確実です。
Q. DIYでシロアリ駆除をする最適な時期は?
シロアリ駆除のDIYは、湿度が低く作業しやすい秋から冬にかけてが適しています。梅雨時期は床下の湿度が高く体力を消耗しやすいうえ、薬剤の定着にも影響が出る可能性があります。ただし、シロアリの被害を発見した場合は季節に関係なく早めに対処することが重要です。シロアリは一年中活動しているため、発見から駆除までの期間が長くなるほど被害が拡大するリスクがあります。
Q. DIYで使った薬剤の効果はどのくらい持続する?
市販のシロアリ駆除用薬剤の効果持続期間は、一般的に3〜5年程度です。業者が使用する薬剤も同程度の持続期間であるため、DIYと業者施工で薬剤の効果期間に大きな差はありません。ただし、散布のムラや量の不足がある場合、実質的な効果期間が短くなる可能性があります。薬剤の効果が切れる前に、再施工するか業者に予防施工を依頼するか検討してください。定期的な点検で再発の有無を確認することが長期的な被害防止につながります。
Q. 羽アリが出たらすぐにDIY駆除すべき?
羽アリの発生はシロアリのコロニーが成熟していることを示すサインであり、すでに相当数のシロアリが活動している可能性が高い状態です。この段階では被害が広範囲に及んでいるケースも多いため、DIYだけで対処するのは難しい場合があります。まずは業者に無料点検を依頼して被害の規模を把握し、軽微であればDIYで対処、広範囲であれば業者に施工を依頼するという判断をおすすめします。羽アリを見つけた場合は、数匹を捕まえて業者に見せると種類の特定がスムーズです。
まとめ
シロアリ駆除のDIYは、被害が軽微で床下に入れる環境であれば挑戦する価値があります。ただし、保証がないこと、完全駆除の難しさ、安全面のリスクを十分に理解したうえで判断してください。
予防レベルの対策(環境整備・薬剤散布)はDIYでも十分に効果が期待できます。まずは家の周囲の環境を整えることから始めて、シロアリを寄せ付けない住まいを目指しましょう。
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