シロアリ被害の多くは床下から始まります。床下は湿気がこもりやすく、暗くて風通しも悪いため、シロアリにとって居心地の良い環境になりやすいのです。
この記事では、シロアリ被害を防ぐための床下対策を中心に、湿気管理の方法、換気の改善策、防湿シートの敷き方など、住まいを守るための具体的な方法を解説します。

なぜ床下がシロアリに狙われるのか
シロアリは乾燥に弱く、湿度の高い環境を好む性質があります。日本の住宅の床下は以下の条件が揃いやすく、シロアリにとって理想的な空間になりがちです。
- 湿度が高い:地面からの水蒸気が上がりやすく、換気が不十分だと湿気がこもる
- 暗い:シロアリは光を嫌い、暗い場所で活動する
- 木材が豊富:土台・大引・根太など、エサとなる木材が多い
- 人目につかない:日常的に確認されないため、被害の発見が遅れやすい
特に梅雨時期や台風シーズンは床下の湿度が上がりやすく、シロアリのリスクが高まります。
床下の湿気対策 ― 3つの基本方法
1. 防湿シート(防湿フィルム)の敷設
防湿シートは、地面から上がってくる湿気を遮断するための対策です。床下の地面全体にポリエチレン製のシートを敷くことで、水蒸気の上昇を防ぎます。
防湿シートの施工ポイント
- シートの重ね代は15cm以上取る
- 壁際まできっちり敷く
- シートの上に砂利や砂を置いて押さえる方法もある
- 破れやすいので、作業時は丁寧に扱う
防湿シートは比較的安価で施工でき、業者に依頼した場合は1㎡あたり1,000〜2,000円程度が目安です。DIYで敷くことも可能ですが、床下での作業になるため体力が必要です。
2. 床下換気扇の設置
床下換気扇は、強制的に空気を循環させて床下の湿気を排出する設備です。自然換気だけでは不十分な場合に効果を発揮します。
設置台数の目安は床面積10坪あたり2〜3台程度です。タイマー式で必要な時間だけ稼働させるタイプが一般的で、電気代は月数百円程度です。
ただし、床下換気扇を設置するだけで完璧な湿気対策になるわけではありません。防湿シートと組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
3. 調湿材の設置
調湿材(調湿剤)は、床下の湿度が高いときに水分を吸収し、乾燥したときに放出する素材です。炭(竹炭)やゼオライト、シリカゲルなどが使われています。
調湿材は補助的な対策として使うのが適切で、これだけで根本的な湿気問題を解決するのは難しい場合があります。業者から「調湿材を入れれば大丈夫」と言われても、まずは換気や防湿シートなどの基本対策ができているか確認しましょう。

床下の換気を改善する方法
換気口をふさがない
基礎にある換気口(通気孔)は、床下の空気を入れ替えるための大切な開口部です。換気口の前に物を置いたり、植木鉢やエアコンの室外機でふさいでしまうと、床下の空気が滞留して湿度が上がる原因になります。換気口の周囲にはなるべく物を置かないようにしましょう。
基礎パッキン工法の活用
近年の新築住宅では、基礎と土台の間に「基礎パッキン」と呼ばれる樹脂製の部材を挟む工法が普及しています。基礎の全周から通気できるため、従来の換気口方式よりも効率よく床下の換気が行われます。
リフォーム時に基礎パッキンを後から追加することも可能な場合がありますので、床下の換気が不十分と感じている場合はリフォーム業者に相談してみてください。
雨水の浸入対策
床下に雨水が浸入すると、湿度が一気に上がります。以下のポイントをチェックしましょう。
- 雨樋が詰まっていないか(詰まると基礎周辺に水がたまる)
- 基礎の周囲の水はけは良いか
- 地面の傾斜が家に向かっていないか
- 配管からの水漏れがないか
床下でシロアリの兆候をチェックする方法
シロアリ被害を早期発見するためには、定期的な床下点検が重要です。以下のサインがないか確認してみましょう。
蟻道(ぎどう)
蟻道はシロアリ被害の最もわかりやすいサインです。基礎のコンクリート表面に土でできたトンネル状の道がないかチェックしてください。蟻道はシロアリが地中から木材まで移動するための通路であり、発見した場合はシロアリが活動している証拠です。
木材の状態
- 木材の表面を軽くたたいたとき、空洞音がしないか
- ドライバーなどで軽く押して、簡単にめり込まないか
- 木材の表面に食害の跡(層状にめくれている等)がないか
羽アリの痕跡
床下や窓際に羽アリの翅(はね)が落ちていたら要注意です。春から初夏にかけて群飛する羽アリは、新しい巣を作るために飛び立ったシロアリです。
床下に入って点検する場合は、ヘッドライト、厚手の服、マスク、手袋を装備してください。狭くて暗い空間での作業になるため、安全には十分注意しましょう。ひとりでは不安な場合は、業者の無料点検サービスを利用する方法もあります。

💡 床下の湿気対策と一緒に、家全体の害虫対策も見直してみてはいかがでしょうか。害虫の種類ごとにおすすめの駆除グッズを一覧でまとめています。

床下対策と合わせて行いたいシロアリ予防策
家の周囲の環境整備
- 廃材・ダンボールを置かない:家の外壁や基礎の近くに木材やダンボールを放置しない
- 植栽は基礎から離す:植物の根がシロアリの侵入経路になることがある
- ウッドデッキに注意:木製のウッドデッキは地面との接触面からシロアリの被害を受けることがある。防腐処理された木材を使うか、定期的に点検する
定期的な専門業者の点検
日本しろあり対策協会では、5年ごとの予防処理と定期点検を推奨しています。多くの業者が無料の床下点検を実施しているため、気になることがあれば気軽に依頼してみましょう。
蟻道や羽アリを見つけた、自分で床下に入るのは不安という場合は、害虫駆除110番に相談する方法もあります。シロアリに対応できる加盟店を紹介するサービスで、現地調査・見積もりは無料と案内されています(地域・加盟店によっては事前確認のうえ費用がかかる場合あり)。公式の料金表示はシロアリ1,320円〜/㎡(税込)で、見積もり後のキャンセルも可能です。詳しくは公式サイトで確認できます。



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よくある質問(Q&A)
Q. ベタ基礎の家はシロアリ被害に遭いにくい?
ベタ基礎はコンクリートで床下全体を覆うため、布基礎に比べるとシロアリが侵入しにくい構造です。ただし、コンクリートのわずかな隙間やひび割れからシロアリが侵入するケースもあるため、「ベタ基礎だから安心」とは言い切れません。
Q. 床下換気扇は何台必要?
一般的な戸建て住宅(30坪程度)であれば、2〜4台が目安です。設置する位置や方向によって効果が変わるため、専門業者に相談して最適な配置を決めるのが確実です。
Q. 防湿シートの上にコンクリートを打ったほうが良い?
防湿シートの上にコンクリートを打設する「防湿コンクリート」は、より強固な湿気対策になります。ただし費用が高くなるため、予算と必要性に応じて判断してください。布基礎の住宅で湿気が深刻な場合には検討する価値があります。
Q. 床下の湿気がひどいかどうかの目安は?
床下の湿度が70%を超える状態が続くと、木材の含水率が上がりシロアリが好む環境になると言われています。自分で確認する場合は、ホームセンターで購入できる温湿度計を床下に設置して数日間測定してみてください。
また、床下に入った際に土壌がじっとり湿っている、木材にカビが生えている、結露が発生しているといった状態が見られれば、湿気対策が必要なサインです。
Q. 防湿シートはDIYで敷けますか?
DIYで敷くことは可能ですが、床下は高さ30〜40cm程度の狭い空間でほふく前進しながらの作業になるため、体力的にかなりハードです。ヘッドライト、厚手の作業着、膝当て、マスクなどの準備が必要です。シートは重ね代を15cm以上取り、壁際まで隙間なく敷くことがポイントです。体力に自信がない場合や床下が極端に狭い場合は、業者に依頼するのが安全です。業者に依頼した場合の費用は1㎡あたり1,000〜2,000円程度が目安になります。
Q. 床下換気扇の電気代はどのくらい?
床下換気扇の電気代は、タイマー制御で1日6〜8時間稼働させた場合、1台あたり月100〜200円程度が目安です。3台設置しても月300〜600円程度で収まるため、ランニングコストはそれほど負担になりません。ただし、24時間稼働させ続ける必要はなく、湿度の高い時間帯に合わせてタイマーを設定するのが効率的です。梅雨時期や雨の多い季節は稼働時間を長めに設定するなど、季節に応じた調整も効果的です。
Q. 床下に入れない構造の場合はどうすればいい?
床下点検口がない場合やスペースが極端に狭い場合は、まず点検口の新設を検討してください。リフォーム業者に依頼すれば、クローゼットや洗面所の床に点検口を設置してもらえます。それでも入れない構造の場合は、業者にファイバースコープ(小型カメラ)による点検を依頼する方法があります。湿気対策としては、基礎外周からのベイト工法による防除や、基礎周りの排水改善など、床下に入らなくてもできる対策を優先的に進めましょう。
Q. 床下の湿気対策にかかる費用の目安は?
防湿シートの施工は1平米あたり1,000〜2,000円程度、床下換気扇は1台あたり3万〜5万円程度(取付工事費込み)、調湿材は1坪あたり1万〜3万円程度が相場です。30坪の住宅全体に防湿シートを敷く場合、10万〜20万円程度が目安になります。複数の対策を組み合わせるとその分費用は増えますが、シロアリ被害が発生した場合の修繕費用(数十万〜数百万円)と比べれば、予防としての費用対効果は高いと言えます。
まとめ
シロアリ対策の基本は、床下の湿気をコントロールすることです。防湿シートの敷設、換気口の確保、換気扇の設置を組み合わせて、シロアリが棲みにくい環境を作りましょう。
定期的な床下点検で蟻道や木材の異変を早期に発見できれば、被害を最小限に抑えることが可能です。自分での点検が難しい場合は、業者の無料点検サービスも積極的に活用してください。
床下のシロアリ対策について詳しくは、以下も参考にしてください。



