ベランダの手すりに並ぶ鳩のフン、屋根の上に集まるカラスの群れ、軒下に巣を作るツバメ——鳥による被害は見た目の問題だけでなく、衛生面や建物の劣化にもつながる深刻な問題です。
しかし、鳥もまた鳥獣保護管理法で保護されている動物であるため、勝手に捕獲したり卵や巣を撤去したりすることは法律で禁止されています。対策は「来させない・止まらせない」という物理的な予防が基本になります。
この記事では、鳥害対策として使える防鳥ネット・スパイク(剣山)・忌避剤などの方法を、効果の高い順に解説します。自分でできる対策から業者に依頼すべきケースまで網羅していますので、参考にしてください。

鳥害の種類と被害の実態
鳩(ハト)による被害
鳩はベランダや屋上に居座り、大量のフンを落とします。鳩のフンにはクリプトコッカス菌やサルモネラ菌が含まれている場合があり、乾燥したフンを吸い込むと呼吸器系の感染症を引き起こす可能性があります。また、フンの酸性成分が金属やコンクリートを腐食させることもあります。
カラスによる被害
カラスはゴミ集積所を荒らしたり、農作物を食べたりする被害が多いです。また、繁殖期(春〜初夏)には巣の近くを通る人間を威嚇・攻撃することがあります。
ムクドリによる被害
ムクドリは大群で街路樹や建物の軒先をねぐらにし、大量のフンと騒音で周辺住民に被害を与えます。
ツバメによる被害
ツバメは縁起物として好意的に見られることが多いですが、軒下に巣を作るとフンで外壁が汚れる問題が生じます。ツバメの巣も鳥獣保護管理法で保護されているため、卵やヒナがいる状態での撤去は禁止です。
鳥のフンを素手で触ったり、乾燥したフンを掃除機で吸い取ったりすることは避けてください。マスクと手袋を着用し、水で湿らせてから拭き取るのが安全な方法です。
鳥害対策の方法|効果の高い順に紹介
方法1:防鳥ネット(最も効果が高い)
防鳥ネットは鳥害対策の中で最も効果が高い方法です。物理的に空間をネットで覆い、鳥の侵入を完全に遮断します。
網目のサイズは対象の鳥に合わせて選びます。
- 15mm目:スズメなどの小型鳥類向け
- 25mm目:鳩・ムクドリなどの中型鳥類向け
- 40mm目:カラスなどの大型鳥類向け
ベランダ全体をネットで覆う場合の費用目安は、市販のネットを自分で設置する場合で5,000〜15,000円程度。業者に依頼する場合は2〜5万円程度です。
防鳥ネットは隙間なく設置することが重要です。たるみがあるとネットの内側に鳥が入り込んでしまうため、ピンと張った状態で固定してください。マンションのベランダに設置する場合は、管理組合の規約を確認してから行いましょう。
方法2:スパイク(剣山)
鳥が止まりやすい場所にスパイク(剣山型の器具)を設置して、物理的に止まれなくする方法です。ベランダの手すり、看板の上、屋上のパラペットなどに設置します。
- 金属製スパイク:耐久性が高く、屋外での長期使用に向いている
- 樹脂製スパイク:軽量で設置しやすいが、劣化が早い場合がある
スパイクの高さは15cm以上あるものを選ぶと効果的です。短いスパイクだと鳩が上に乗ってしまうケースも報告されています。
方法3:ワイヤー
細いステンレスワイヤーを鳥が止まる場所に張って、着地を妨害する方法です。見た目がすっきりしているため、建物の美観を損ないたくない場合に向いています。
支柱とワイヤーがセットになった鳥よけワイヤーのキットなら、手すりや看板の上に後付けで設置できます。
方法4:忌避剤
鳥が嫌がる成分を含んだジェルやスプレーを、止まりやすい場所に塗布する方法です。ジェルタイプは効果の持続期間が比較的長く、数ヶ月〜1年程度持つ製品もあります。
ただし、忌避剤は補助的な対策であり、これだけで鳥害を完全に防ぐのは難しいです。ネットやスパイクとの併用が効果的です。
方法5:光・音による対策(効果は限定的)
CDやホログラムテープなどの反射光、鷹の模型、超音波装置などは、一時的には効果がありますが、鳥が慣れてしまうとすぐに効果がなくなります。長期的な対策としては不向きです。

鳥の種類別おすすめ対策
鳩対策
鳩は帰巣本能が非常に強く、一度居場所を覚えると繰り返しやって来ます。被害レベルに応じた段階的な対策が有効です。
- 軽度(休憩場所として利用している段階):スパイク・忌避剤で対応
- 中度(定期的に来ている段階):スパイク+防鳥ネットで対応
- 重度(巣を作っている段階):防鳥ネットで完全遮断+フンの清掃消毒
カラス対策
ゴミ集積所のカラス被害には、ゴミネット(黄色が効果的とされる)やフタ付きのゴミボックスの設置が有効です。建物への被害にはスパイクやワイヤーで対応します。
ムクドリ対策
街路樹や建物の軒先をねぐらにしている場合は、防鳥ネットや剪定による環境改善が有効です。自治体によっては対策を実施しているケースもあるため、相談してみてください。
業者に依頼すべきケース
以下のような場合は、プロの鳥害対策業者に依頼することをおすすめします。
- 高所(3階以上・屋上)での作業が必要
- 大量のフンが溜まり、清掃・消毒が必要
- すでに巣ができている(法的な手続きが必要な場合がある)
- 自分で設置した対策では効果が出なかった
業者の費用目安は、ベランダへのネット設置で2〜5万円程度、ビル全体の鳥害対策だと数十万円以上になることもあります。
高所での作業や、溜まったフンの清掃・消毒まで任せたいなら、害獣駆除110番という選択肢もあります。対応できる提携業者を紹介するサービスで、対象には害鳥(ハトなど)も含まれ、公式の料金表示は害鳥22,000円〜(税込)です。作業は調査・見積もりから殺菌・消毒・清掃までの流れで案内されています。電話は24時間365日受付・通話無料で、現地調査・見積もりは無料と案内されています(地域や加盟店によっては費用がかかる場合あり)。金額は現場の状況で変わるので、詳しくは公式サイトで確認できます。



よくある質問(Q&A)
Q. 鳥のフンを放置するとどうなりますか?
鳥のフンには尿酸が含まれており、金属やコンクリート、塗装面を腐食させます。また、乾燥したフンは病原菌を含んだ微細な粒子となって空気中に漂うため、衛生上のリスクが高まります。見つけたら早めに清掃しましょう。
Q. 鳥の巣は勝手に撤去していいのですか?
卵やヒナがいない空の巣であれば撤去できますが、卵やヒナがいる状態での撤去は鳥獣保護管理法違反になります。判断に迷う場合は、自治体の窓口に相談してください。
Q. マンションのベランダに防鳥ネットを設置しても大丈夫ですか?
マンションの管理規約で禁止されている場合があるため、設置前に管理組合や管理会社に確認してください。外観に影響を与えるため、事前の承認が必要なケースが多いです。
Q. 太陽光パネルの下に鳩が巣を作ります。対策はありますか?
太陽光パネルと屋根の隙間は鳩にとって格好の営巣場所です。専用の防鳥ネットや金網を設置して隙間を塞ぐ方法が有効です。パネルの保証に影響しないよう、施工は専門業者に依頼するのが安全です。
Q. 鳥害対策にかかる費用はどのくらいですか?
自分で行う場合、スパイクは1mあたり500〜1,500円程度、忌避ジェルは1本3,000〜5,000円程度です。防鳥ネットは面積によりますが5,000〜15,000円程度で購入できます。業者に依頼する場合はベランダのネット設置で2〜5万円、ビル全体の対策では数十万円以上になることもあります。
Q. 鳥害対策のスパイクは景観を損ないませんか?
透明や白色のスパイク製品も販売されており、目立ちにくいものを選ぶことで景観への影響を抑えることができます。また、ワイヤー方式であればほとんど目立たないため、建物の外観を重視する場合はワイヤーの設置を検討してみてください。
Q. 鳥が毎日同じ場所に来ます。どのくらいの期間対策を続ければいいですか?
鳩のように帰巣本能の強い鳥の場合、物理的な対策を設置してから少なくとも2〜4週間は続けてみてください。一度「ここは危険な場所だ」と認識させることができれば、他の場所に移動していきます。ただし、対策を外すと戻ってくることがあるため、長期的に設置を維持するのが望ましいです。
Q. 鳥害対策を自分でやる場合と業者に頼む場合の判断基準は?
手の届く範囲(ベランダや1階の軒先など)であれば自分で対策できるケースが多いです。一方、2階以上の屋根周りや高所の看板、建物全体を覆うネットの設置は危険を伴うため業者への依頼をおすすめします。また、自分で対策を試したのに効果が出ない場合も、プロに原因を診断してもらうのが近道です。見積もりは無料の業者が多いので、まずは相談してみてください。
Q. 忌避剤は雨で流れてしまいませんか?
ジェルタイプの忌避剤は耐水性があり、多少の雨では流れにくい処方になっています。ただし、大雨や台風の後は効果が低下している可能性があるため、状態を確認して必要に応じて塗り直してください。スプレータイプは雨で流れやすいため、雨が止んだ後に再散布するのが効果的です。
Q. ベランダの鳩のフンは自分で掃除できますか?
少量であれば自分で掃除可能です。マスクとゴム手袋を着用し、乾燥したフンに水をかけて湿らせてから新聞紙やペーパータオルで拭き取ってください。その後、消毒用エタノールで拭き上げると衛生的です。大量のフンが溜まっている場合は感染症リスクが高まるため、専門業者に清掃を依頼することをおすすめします。
まとめ
鳥害対策で最も効果が高いのは、防鳥ネットで物理的に侵入を遮断することです。スパイクやワイヤーも止まりやすい場所への対策として有効です。忌避剤や光・音による対策は補助的な手段にとどまり、これだけでは長期的な解決にはなりにくいです。
鳥の種類と被害のレベルに応じて、適切な対策を組み合わせてください。高所での作業や巣の撤去が必要な場合は、無理をせず専門業者に相談することをおすすめします。
💡 鳥のフンが溜まった場所にはダニやゴキブリなどの害虫が集まりやすくなります。鳥害対策とあわせて、家に発生しやすい害虫ごとのおすすめ駆除グッズもチェックしておくと安心です。



💡 ベランダや軒下は鳥だけでなく、ムカデやゲジゲジの通り道にもなりやすい場所です。忌避剤や粉剤を活用したムカデ対策グッズを以下の記事でご紹介していますので、あわせてお試しください。



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