「窓の近くに羽の生えた虫が大量に飛んでいる」「床に羽がたくさん落ちていた」そんな光景に遭遇して焦った経験はありませんか。
春から初夏にかけて発生する羽アリは、ヤマトシロアリの群飛(ぐんぴ)である可能性があります。ヤマトシロアリは日本の住宅に最も多く被害を及ぼすシロアリで、4月〜6月頃の雨上がりの日中に大量の羽アリを飛ばします。
この記事では、春に羽アリを見つけた場合の正しい対処法、シロアリとクロアリの見分け方、そしてやってはいけない行動について詳しく解説します。

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ヤマトシロアリの群飛について
日本の住宅被害の大部分を占めるヤマトシロアリは、毎年4月〜6月頃に巣の中から羽アリを放出します。この現象を「群飛」と呼び、新しい巣をつくるための繁殖行動です。
ヤマトシロアリの羽アリには以下の特徴があります。
| 特徴 | ヤマトシロアリの羽アリ |
|---|---|
| 体の色 | 黒〜暗褐色 |
| 体長 | 約5〜7mm(羽を含むと約10mm) |
| 飛ぶ時間帯 | 日中(特に午前中〜昼過ぎ) |
| 飛ぶ時期 | 4月〜6月(特に雨上がりの翌日) |
| 飛ぶ条件 | 温暖で湿度が高い日 |
| 羽の特徴 | 4枚とも同じ大きさ、簡単に取れる |
イエシロアリとの違い
日本にはもう一種、被害が大きいイエシロアリも生息しています。イエシロアリは主に6月〜7月の夕方から夜にかけて群飛を行います。体色は黄褐色で、ヤマトシロアリよりもやや大きい傾向があります。
イエシロアリは主に関東以南の温暖な地域に分布しており、ヤマトシロアリよりも巣が大きく、被害の進行が速いのが特徴です。
シロアリの羽アリとクロアリの羽アリの見分け方
春に飛ぶ羽アリがすべてシロアリとは限りません。クロアリも種類によっては春〜初夏に羽アリを飛ばすことがあります。両者の見分け方を覚えておきましょう。
| 比較ポイント | シロアリの羽アリ | クロアリの羽アリ |
|---|---|---|
| 体型 | 寸胴(くびれがない) | 胸と腹の間にくびれがある |
| 触角 | 数珠状(じゅずじょう)でまっすぐ | 「く」の字に曲がっている |
| 羽の大きさ | 4枚とも同じ大きさ | 前の2枚が後ろの2枚より大きい |
| 羽の取れやすさ | 非常に取れやすい | 簡単には取れない |
| 羽脈(はみゃく) | 細かく網目状 | はっきりと少ない |
最も簡単な見分け方は「体のくびれ」と「羽のバランス」です。体がずんぐりとして羽が4枚同じ大きさであればシロアリ、体にくびれがあり前後の羽の大きさが異なればクロアリです。

羽アリを見つけたときの正しい対処法
ステップ1:殺虫スプレーは使わない
羽アリに対して殺虫スプレーを噴射するのは最もやってはいけない行為です。殺虫スプレーの薬剤を感知したシロアリは、その場所を避けて別の場所から侵入するようになります。結果として被害範囲が拡大し、駆除がさらに困難になる場合があります。
市販の殺虫スプレーでは表面にいるシロアリを一時的に殺せるだけで、巣の中にいる数万〜数十万匹のシロアリには全く効果がありません。むしろ巣の移動や経路変更を引き起こし、事態を悪化させるリスクがあります。
ステップ2:掃除機で吸い取る
室内に飛来した羽アリは、掃除機で吸い取るのが最も安全で効果的な方法です。吸い取られたシロアリは紙パック内で窒息するため、薬剤を使う必要がありません。
紙パックを使わないサイクロン式掃除機の場合は、吸い取った後すぐにダストカップの中身をビニール袋に入れて密封・廃棄してください。
ステップ3:発生箇所を記録する
羽アリがどこから出てきたかを確認し、記録しておきましょう。窓の外から入ってきたのか、床や壁の隙間から出てきたのかで、状況が大きく異なります。
- 室外から飛来した場合:近隣の巣から飛んできた可能性。ただし自宅の床下にも巣がある可能性は否定できない
- 室内の隙間から出てきた場合:自宅の構造体内部にシロアリの巣がある可能性が高い
ステップ4:専門業者に調査を依頼する
羽アリの発生を確認したら、できるだけ早く専門のシロアリ駆除業者に連絡して調査を依頼しましょう。多くの業者は無料で床下点検を実施しています。
業者に連絡する際は、「いつ」「どこで」「どのくらいの量」の羽アリが出たかを伝えると、スムーズに対応してもらえます。可能であれば羽アリの実物を数匹、ビニール袋に入れて保管しておくと、種類の特定に役立ちます。
やってはいけない3つの行動
| NG行動 | 理由 | 正しい対応 |
|---|---|---|
| 殺虫スプレーを噴射する | シロアリが逃げて被害が拡大する | 掃除機で吸い取る |
| 被害箇所を自分で壊して確認する | 巣の構造を破壊し、シロアリが分散する | 業者の調査に任せる |
| 「少しだから大丈夫」と放置する | 羽アリが出たということは既に巣が成熟している証拠 | 速やかに業者に調査依頼 |
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害虫駆除110番の公式サイトはこちらシロアリ被害のサインを見逃さないために
羽アリ以外の被害の兆候
羽アリの群飛はシロアリ被害の最も分かりやすいサインですが、それ以外にも以下のような兆候があります。
- 床を踏むとブカブカする、沈む感覚がある
- 壁や柱を叩くと空洞音がする
- 基礎部分に泥の筋(蟻道)がある
- ドアや窓の開閉がスムーズにいかなくなった
- 木材の表面に細かい穴がある

蟻道(ぎどう)の確認方法
蟻道とは、シロアリが土や排泄物を使って作るトンネル状の通り道です。基礎のコンクリート面や束柱の表面に、幅5mm〜1cm程度の泥の筋が付いていれば蟻道の可能性が高いです。
蟻道を発見しても、自分で壊さないでください。蟻道を壊すとシロアリが別のルートを作って逃げてしまい、駆除が困難になります。
シロアリ駆除業者の選び方
信頼できる業者を見極めるポイント
- 公益社団法人日本しろあり対策協会の会員であること
- 「しろあり防除施工士」の有資格者が在籍していること
- 点検・見積もりが無料であること
- 見積もり後にその場で契約を迫らないこと
- 施工後5年間の保証と定期点検が含まれていること
費用の目安
シロアリ駆除の費用は、被害の範囲や工法によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 床下調査 | 無料(多くの業者) |
| バリア工法(薬剤散布) | 1坪あたり5,000円〜10,000円程度 |
| ベイト工法(毒餌設置) | 初期費用15万〜30万円+年間管理費 |
| 一般的な戸建て(30坪)の場合 | 15万〜30万円程度(バリア工法) |
必ず2〜3社から相見積もりを取りましょう。施工面積、使用薬剤、保証内容を比較して、価格だけでなく総合的に判断することが大切です。
春のシロアリ予防のためにできること
家の周囲の環境整備
シロアリは湿った木材を好むため、家の周囲の環境を整えることが予防につながります。
- 家の基礎周りに木材や段ボールを放置しない
- 庭の切り株や枯れ木は早めに除去する
- 基礎部分の通気口を塞がない
- 床下の換気を十分に確保する
定期的な点検の重要性
新築時のシロアリ予防処理の効果は、一般的に5年程度で低下します。築5年以上の住宅では、定期的な床下点検を受けておくことが被害の早期発見につながります。
よくある質問(Q&A)
Q. 羽アリが1〜2匹だけ飛んできた場合も業者に依頼すべきですか?
A. 少数であれば外部から偶然飛来した可能性もあります。ただし、室内の壁や床の隙間から出てきた場合や、翌日以降も続けて出現する場合は、自宅内に巣がある可能性が高いため業者への相談をおすすめします。
Q. 羽アリが出た後、羽だけが大量に落ちているのは何故ですか?
A. シロアリの羽アリは着地後すぐに羽を自ら切り落とし、ペアになって新しい巣をつくる場所を探します。そのため、群飛があった場所には大量の羽が残ります。これはシロアリの羽アリの典型的な特徴です。
Q. 賃貸住宅で羽アリを見つけた場合はどうすればよいですか?
A. まず管理会社または大家に連絡してください。シロアリ被害は建物の構造に関わる問題であり、原則として建物の所有者が対応する責任を負います。自己判断で業者を手配する前に、管理側と相談しましょう。
Q. 木造以外の住宅(鉄骨造やRC造)でもシロアリは出ますか?
A. 出ます。鉄骨造やRC造の住宅でも、内装の木材部分(フローリング、壁の下地材、巾木など)がシロアリに食べられるケースがあります。構造自体は問題なくても、内装の修繕が必要になる場合があります。
Q. 市販のシロアリ駆除剤で自分で対応できますか?
A. 市販の駆除剤では表面的な対処しかできず、巣ごと駆除することは非常に困難です。シロアリの被害は目に見えない場所で広がっていることが多いため、専門業者に床下の調査と適切な施工を依頼することを強くおすすめします。

まとめ:羽アリを見つけたら「吸い取る→記録する→業者に連絡」
春に発生する羽アリは、ヤマトシロアリの群飛である可能性があります。発見した場合の正しい対処は、殺虫スプレーを使わずに掃除機で吸い取り、発生箇所を記録した上で、速やかに専門業者に調査を依頼することです。
シロアリの被害は放置するほど深刻化し、修繕費用も膨らみます。早期発見・早期対応が住宅を守る最善策ですので、羽アリを見つけたら迷わず行動に移してください。
覚えておくべきは3ステップ:「殺虫スプレー禁止→掃除機で吸い取る→業者に連絡」。この順番を守れば、被害を最小限に抑えることができます。
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